はじめに 

環境問題って何のことを言うのだろうか。ばくぜんとしすぎていてイメージがわかないという人も多いのではないでしょうか。身の回りのいろいろな問題が、環境にかかわっていたり、テレビのニュースショウで取り上げられている問題の多くが、環境問題と思えたりします。環境問題を「人に直接影響する生活環境の問題」として論じることは、非常に重要かつ基本的な問題を含むと思うが、一面では環境問題は、経済問題であり、社会問題であり、科学の問題であり、工学上の問題でもある。

歴史的に言えば、鉱山や公害の問題である、環境汚染は、個人の健康の問題だが、生態学や地球物理学的な視野での環境問題は、全世界的なスケールで考えるべき問題である。

環境問題は、個人の問題としてのエコと社会の問題としてのエコに分けて考えることが重要だと思う。これをあいまいにすると、推測と感情論だけで、口先だけの空論をもてあそぶことになりかねない。正反対のことがおのおのエコのためと称して主張されることもよくある。木材を燃やすストーブを、石油を使わないからエコだとする立場と、燃料に植物資源を使うのはエコではないとする立場とどちらが正しいのだろうか。

環境にやさしい生活が、エネルギーを使わない、お金を使わない生活だとすれば、それは経済が成長しない,景気が良くならない社会を目指すことになる。このことに対して「経済成長をともなうエコロジー政策」という考え方がある。これはエコビジネスと言われるたぐいの産業を盛んにすることでエコな社会を実現しようする考え方であり、検討すべき課題と思われる。

このような問題は、どちらが正しいかではなく、どちらを選ぶかの問題だ。エコロジーが絶対という「環境原理主義」を排するとすれば、大事なことを無視することになるのだろうか。人がより豊かに暮らすことを目指すことは、単純にとても良いことだと思う。

明るい未来を目指して、「環境調和型社会」を目指すとして何をやればよいのか、それを探すことが、環境問題を考えることだと思う。